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自作CGギャラリー

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CG14作目+初SS完成~。

2006年12月10日(Sun) 23:22:36

今回初めて2次創作SSという物を書いてみました。
慣れない文面でお目汚しかと思いますが
読んで頂けたら幸いです。
「planetarian~ちいさなほしの海水浴~」
サイドストーリー的に書いてます。
特典小説を元にしました。それでは本編を~w

-----------------------------------------


ゆめみは戸惑っていた。

普段とは違うコスチューム、
そして目の前に広がる
とめどもなく大きな水たまり。

「あのぉ・・・里美さん?重ね重ね申し上げますが
このコスチュームは
通常業務時に着用するものと比べ形状が著しく違うと
認識しますが・・・・」

「だから大丈夫だって。ゆめみちゃん。これはね、特注の水着なのよ?
水に浸かっても大丈夫なように特別に作られたコスチュームなの。」

「はぁ・・・」

何度も繰り返す同じ問いかけ。
はじめての非日常に動揺を隠せない様子である------.

061210ほしのゆめみ






ゆめみ担当の先輩解説員である里美と
ロボットメーカーからゆめみと共に出向してきた吾郎とで
密かに準備を進めていた今回の計画。

事の発端は小雪がちらつく寒い朝のことだった。
就業時間直前の団欒、若手解説員である由香が言い出した何気ない一言。

「夏になったらみんなで海水浴とか行きたいですよねぇ。」

そのとき里美は瞬時に思いついたのである。
ゆめみに海水浴を体験させてみようと。
ちょうどその頃、里美には考えがあった。
ゆめみに色々な事を体験させて
実経験を積んでいけば
もっと解説のアドリブに幅が出て観客に楽しんでもらえるのではないかと。

思い立ってから行動に移すのは早かった。
さっそく吾郎に話を持ちかけると

「いいですねぇ!それ、ゆめみには内諸でやりましょうよ!」

と飛びついてきた。
彼の場合は里美と違い
ドッキリ作戦ノリである。
里美は呆れたがメカニックの彼がいないと
計画を遂行するのは困難と思われた。

プラネタリウム解説の質を向上させる為だと良く言い聞かせると
彼は真面目に取り組んでくれる約束をしてくれた。
(させたと言うべきか。)

彼が協力を仰いだメーカーの元同僚たちも
コンパニオンロボットを海で運用するという
前代未問の計画に興味を示し、全面的な協力を得て
順調に事は運んだ。

業界初のコンパニオンロボット用水着開発。

水着メーカーや繊維メーカー。防水ケミカルメーカ等等・・・・。
彼の人脈を巻き込んだ非公式計画は
コンパニオンロボットの新たな可能性を広げる壮大な物になっていたとは
里美は知る由もなかった。

SCR5000に係る各メーカーの実験的イベントと化した
ゆめみの海水浴。
勿論、各個人の興味から成り立つ非公式実験なので
当日参加はプラネタリウム担当員のみ、の筈であった。

「なんだか海水浴場なのに服着た男性が多いわねぇ••?」
「ま、まぁ海に来る目的は海水浴だけじゃないっすからねぇ。」

吾郎は気付いていた。ビーチに知った顔がチラホラこちらをうかがっていることを――――


そんな計画とは全く知らない当自動人形は
休館日の今日、野外研修だといって皆に連れ出された。
市内の海水浴場に連れてこられたゆめみは
里美から着替えを命じられた。

「さぁ、ゆめみちゃん、チョッとお着替えしよーかー。」

「・・・・?!」

「ささっ、これこれ。」

紙袋から出された見たことのないコスチュームに
目を丸くするゆめみ。

「あ、あのー・・・里美さん?私のコスチュームは
今身に着けておりますこのデパート制服が標準仕様なのですが・・・・。」

「この制服を着用した状態で全動作が保証されています。
別な衣服を着用する場合にはメーカーによる審査を受け、
放熱や動作の証明を発行してもらう事になっています。」

やはりそう簡単には着替えさせる事は難しいようだ。

「いい?ゆめみちゃん、今日はね、海水浴って言う物にチャレンジしてもらいたいの。」

「かいすいよく、ですか?」

小首を傾げきょとんとしたまましばし固まるゆめみ。
“かいすいよく“をデータベースから検索してるのだろう。

「そう、かいすいよくよ。そのために今日は特製の水着を奮発しちゃったんだから。」

「【運動、避暑などのため、海水に浴し、または泳ぐ事】・・とありますが
私はロボットなので暑くても平気ですし、運動も必要ないので
それら行為を行う必要はないものと考えます。」 

まるで私には関係ありませんよと言わんばかりに
にこやかな笑顔をこちらに向けている。

「それに私の第2種業務用防水仕様というのは海水には対応しておりません。
潜水による高水圧にも筐体の外郭が耐えられないと考えられます。」

「それなら平気、耐海水のワックスを吾郎君が用意してくれたわ。
それに海水浴はそんな深くまで潜ったりしないから大丈夫よ。」

「はぁ・・・・。」

ゆめみの表情が不安で曇ってきた。
何しろ突然通常運用形態以外のことを要求されたのだから
きっと混乱してるのだろう。
しばらく困った顔をしてたかとおもうと
意を決したかのように大真面目な顔できりだす。

「わ、私はこの制服に大変な誇りを持っておりますっ。いかなる時もお客様に・・・・・!」

「あぁ!わかった、  わかったから・・・。」

彼女の雄弁をさえぎるように里美は言った。
これ以上続けても堂々巡りになる。
少し違う方向から説得に当たってみよう・・。

「ゆめみちゃんにはね、いろいろな事を経験してもらいたいと思ってるの。
知識や経験が増えればきっと解説に役立つわ。」

「解説に、ですか・・・?」

「そう、きっとね、お客様が喜んでくれるはずよ。知識だけで話すより、
実体験を元に話した方が説得力ある、ゆめみちゃんもそう思うでしょう?」

「はい。お客様に喜んでいただくのが私にとって一番のことです。」

「そうそう!きっとすばらしい解説が出来るようになるわよ!」

もう里美も必死である。
なんせ今回の水着には夏のボーナスを全てつぎ込んでしまったのだから。

「ほらほら、胸にはちゃんと花菱のマークも入ってるのよ!」

「これも花菱の制服なのですか?」

「も、勿論・・・」

「花菱デパートの一員としてお客様のためになる事でしたら
“海水浴”がんばってみます!!」

花菱グループの一員である事、そして
そのプラネタリウムの解説員である事に大変な誇りを持っているゆめみ。
そのプライドを突っついたところで
ようやく着替えに応じたのだった。





しかし、次なる問題はそのすぐ後に起こった・・・。
なんとか着替えさせたゆめみを
防水性能の確認のためシャワー室で
水をかけた後のことだった。

イヤーレシーバーのスロット部から微量の水分が
内部に入り込んだのだ。
素早く湿度センサーが水分を感知、
レシーバーの回路が緊急遮断された。

「イヤーレシーバー部の緊急遮断回路が作動しました。一度メイン電源を遮断の後、原因を是正の上再起動してください。」

機械的なアナウンスを発声すると
ゆめみは動かなくなった。

「あちゃー・・・。やっぱダメか。」
吾郎は額を押さえながら舌打ちした。

日常点検と定期整備は欠かさず行っているのだが、
防水性能は通常業務では影響しないので
点検項目から外れていたのである。

吾郎がイヤーレシーバーを点検すると
スロットの蓋部分に塗布してあるシリコングリスが乾き、パッキンに劣化が見られた。

「ここだったか。全く気付かなかったなぁ。」
「もう稼動を始めて何年もたつし、一度パッキン類を総点検しないとダメだな・・・・・。」

外見上は全く歳をとらないゆめみも
パーツの劣化は避けられない。
人間もロボットも、メンテナンスを怠るとガタが出るのである。

とりあえず応急処置としてスロット部にビニールテープを貼って再起動した。


せっかく海水浴に乗り気になってきていたゆめみは
この一件で再び不安顔に戻ってしまった。

「あのぉ・・・里美さん?重ね重ね申し上げますが
このコスチュームは
通常業務時に着用するものと比べ形状が著しく違うと
認識しますが・・・・」

「だから大丈夫だって。ゆめみちゃん。これはね、特注の水着なのよ?
水に浸かっても大丈夫なように特別に作られたコスチュームなの。」

「はぁ・・・。」

「レシーバーの水漏れだって吾郎君がばっちり直してくれたんだから。」

「・・・・・・・・。」

すっかり水漏れの件で信用を失墜させてしまった
里美と吾郎。

あの手この手で粘り強く説得を続け
結局困り顔の2人とロボット一体が海に入ったのは
数時間後のことであった。



ゆめみの海水浴計画。
結局一番の難題は
その実直さゆえ融通の全く利かないゆめみの説得だった。

人間ならば目をつぶってしまう細かい事でも
一切看過できない真っ直ぐな心という機能。
それはロボットにとって最大の誇りとなりうるもの。

いちいち融通を利かせることが出来たのならば
人間への忠誠などすぐに無くなってしまうだろう。

人間がロボットに課す最大の命令、「絶対忠誠」。
その理不尽な命令を実直に守る事が出来る。それが
ロボットなのだから。






翌年の春。メーカーからコンパニオンロボットの専用水着が発表された。
量産化されて価格もかなり安くなる。

「あーっ、もうっ!一年待てばいいのが出たんじゃない!!」

去年の夏のボーナスが吹っ飛んだ事を悔しがる里美は知らない。
ゆめみの海水浴が開発の足がかりになった事を。

そしてその先
ロボットの新しい活躍の場
海難救助用ライフセイバーロボット実用化の第一歩に繋がっていった事も・・・・。

ゆめみの解説に
強い日差しの海水浴場からでも良く見える天体「月」の話題が
アドリブで加わった事が
里美にとってなによりも大きな一歩であった。


おしまい。
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